ホントのとこ、極夜ってどーなのよ?
2015年 12月 30日
北極圏の冬は「極夜で一日中太陽が昇らない」と聞くと、24時間真っ暗闇の生活を想像してしまいますが(僕もトロムソに来るまではそうでした)、「実際どうなのよ?」というところを紹介します。本当は冬至の前後にこの話題をやりたかったのですが、この11~12月のトロムソは本当に天気が悪くて、一日中晴れてくれる日が全くありませんでした。でも、今日はやっと朝から夕方まで晴れたので、コマ送り写真で一日の変化をお伝えします。
まずは、朝8:30(太陽高度は地平線下9.3度)。まだ暗いですが、南東の空が白んできました。 次は、9:30(地平線下6.1度)。ちょっと遅いですが、夜明けっぽくなります。 10:30(地平線下3.6度)。辺りが赤く染まり、とても美しい朝焼けです。 11:30(地平線下2.4度)。このあと太陽が昇ってくるんじゃないか、と勘違いするぐらいの明るさです。 12:30(地平線下2.7度)。南の空がかなり明るいです。天頂から西側の空は、不思議な青色をしています。開けたところでは、ヴィーナスベルトや地球の影が見易い時間帯です(11/30記事参照)。 13:30(地平線下4.7度)。太陽が南中を過ぎると、あっという間に暗くなり始めます。もう夕暮れです。 14:30(地平線下7.5度)。街の灯が目立ち始めました。南西に残照が残るのみです。 15:30(地平線下11.1度)。もうすっかり真っ暗です。日本の冬の18:00-19:00ぐらいの感じでしょうか。
この日の南中は、昼11:46(太陽高度-2.3度)です。写真は、シャッター優先でなるべく見た目の明るさに近くなるように撮りましたが、外が明るい(昼間だ)と感じるのは南中を挟んで前後1時間というところ(10:45-12:45ぐらい)です。厳密に言うと、この日の薄明(太陽高度-6度以上)は9:33-14:00、天文薄明(-18度以上)は6:31-17:01でした。
どうでしょうか、意外と昼間は明るくなると思いませんか? 極夜といえども、一日中真っ暗闇ということは(トロムソでは)ないのです。ただこれは天気が好い日の話で、曇りや雨・雪だと一日中暗いという日も確かにあります。旅行で数日訪れたときにたまたま天気が悪い日が続くと、「極夜って、本当に一日真っ暗なんだ!」と勘違いしそうです。
なんだかんだでもう冬至を過ぎて、極夜も半分が終わりました。これから徐々に日が長くなり、あと一カ月もすれば太陽と再会です。次の楽しみは、夏の「白夜」ですね。
<関連記事>
> 極夜の対処法 (2017/11/30)> ホントのとこ、白夜ってどーなのよ? (2016/06/22)
by tac_sato | 2015-12-30 17:20 | 北極圏の極夜の話 | Comments(5)
Commented
by
矢口
at 2015-12-31 17:49
x
書いてある状況がすごくよく解ります、
で、満月の時はいかがでしたか?
EMEの軌道ソフトで見ると満月はしっかり
見えているようですが・・・
明るさはどうだったでしょうか?
で、満月の時はいかがでしたか?
EMEの軌道ソフトで見ると満月はしっかり
見えているようですが・・・
明るさはどうだったでしょうか?
0
Commented
by
tac_sato at 2015-12-31 18:57
"極夜の新月"ですよね。標高の高いところまで行って探したのですが、地平付近に雲がかかっていて、残念ながら見えませんでした。1月にもチャンスがあるので、そちらに期待です。
Commented
at 2018-05-21 16:25
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2019-04-21 11:50
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
tac_sato at 2019-04-21 20:28