トロムソの病院と診療
2016年 06月 25日
ノルウェーで生活するにあたり心配だったのは「病院」のことです。これも長期の海外生活では(特に小さな子供連れでは)、必ず必要となる時があります。少なくともトロムソにある小児科のことは調べていかないとと思ったのですが、実はノルウェーの病院事情は日本とはかなり違っていました。
実はノルウェーの街中には小児科をはじめとする病院はなく(歯医者はあります)、病気でも怪我でもまずはこのファミリードクターに見てもらいます。そして必要があれば、そこで各専門医を紹介してもらえるのだそうです。
うちの家族は2月にトロムソに来たのですが、ファミリードクターの診察開始は6月からだったので、妻の常用薬をもらうためにLegevaktを利用しました。ここも(余裕がある場合は)事前に電話をすると、診察の時間帯を指定されます。
ノルウェーでは、それぞれの人にかかりつけのファミリードクター"Fastlege"というのがいます。個人IDをもらうときに自動的にドクターが決まるようで、後日"The Norwegian Health Economics Administration(Helfo)"から、「あなたのドクターはこの人です」という通知が届くようになっています。
僕のノルウェーの滞在は短期間で、こちらの社会保険などには加入しないので、こちらに来てすぐの頃に病院のことを相談したノルウェー人からは「君の場合、ファミリードクターは指定されないかも」と言われていたのですが、個人IDの申請から3カ月後(もうすっかり忘れた頃!)にこの通知が届きました。しかも「診察の開始日は(さらに一か月後の)3月1日から」と書いてあって、つまりノルウェー到着から4カ月間は医者に掛かれない不安な状況でした。
ファミリードクターに診てもらいたい場合は、"Legekontor(診療所)"に電話して予約をしますが、大抵数日は待たされます(その間に少々の風邪なら治ってしまうので、ノルウェー人は余り医者に行かないし薬も飲まないで治してしまうらしいです)。トロムソのLegekontorの場合も、7人のドクターがいて診察日がそれぞれ違うので、自分のファミリードクターの日の予約を取るのが簡単ではないのだと思います。
診察はノルウェー語か英語が出来れば問題ないですが、基本的にどのドクターも日本語は喋れないので、必要であれば「通訳サービス」も利用できます。これは電話によって通訳の人を介して、日本語でドクターとやりとりができるものだそうです。ただし、事前の予約が必要です。
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トロムソのSentrum Legekontorは、海沿いの建物にあります。Fiskekompanietの隣のビルで、1階にStakersというステーキハウスがあります。
Legekontorが開いているのは平日の8:00-14:30なので、それ以外の時間帯や週末は利用できません。急ぎの場合やファミリードクターなどいない旅行者が病院にかかりたい場合は、救急病院(Legevakt)に行くことになります。
トロムソには大学病院(Universitetssykehuset Nord-Norge;UNN)があり、そこにLegevaktがあります。バスならSentrumから20番,21番,34番に乗り、"Universitetssykehuset"の停留所で降ります。でもそこから少し歩くので、本当に救急の場合はタクシーで「Legevaktに行って!」と言った方が良いでしょう。
ですが、日によっては救急車やドクターヘリがひっきりになしに急患を運んで来て、ドクターはそれにも対応するので、よほど重篤でなければ何時間も待たされます。妻も、指定された時間から2時間以上待っていました。
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ノルウェーで病院に掛かるにあたり、事前に確認しておいた方が良いのは、日本で加入している社会保険や旅行保険です。ノルウェーで診察した場合でも、帰国後に申請すれば医療費が還付されることがあります。ただし、大抵ドクターに書類を書いてもらう必要があるので、その書類を予め印刷して診察の時にその場で記入・署名してもらわないといけません。
我々の場合、後日改めて書類を書いてもらったのですが、その書類を書いてもらうための予約をまた取らなければならないばかりか、きっちり同じだけの診察料を(書類書きだけなのに)取られてしまい、これでは最初の医療費だけ還付されてもマイナスになってしまうという意味のない状況になってしまいました。
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by tac_sato | 2016-06-25 19:58 | トロムソ生活 | Comments(0)